[レビュー][旧記事] 教科書・文法解説書の批判的検討を行なっている文献のリスト
ひょんなことから久しぶりに拙博論(2008)を開く機会があった。
そう言えば、課題と方法を限定・整理する中で、なんらかの形で言語学的研究の成果に基づいて文法教育の内容を論じた先行研究の内、特に既存の教科書や文法解説書を批判的に分析しているもの(和文)として以下の文献を挙げたのだった(拙論および北大教育方法学研究グループの先行研究は除く)。
ただし、とにかく面白いとか、めちゃんこスゴい研究だとか、そういうリストではないのであしからず。
- 荻原洋(2003)「日本人英語学習者と英語時制体系習得の困難点について」『富山大学教育学部紀要』57: 99-112.
- 音在謙介(2003)「大学における英文法教育の今日的課題」『拓殖大学語学研究』104: 29-64.
- 金澤俊吾(2003)「言語学的見地からの英語教育における文法指導に関する一考察」『岩手県立大学宮古短期大学部研究紀要』14(2): 90-103.
- 菅野冨士雄(1983)「英語の教科書のあり方:英語の世界をひらく」柴田義松(編)『教科書:子どもにとってよい教科書とは』有斐閣,pp. 169-218.
- 小寺茂明(1996)『英語教科書と文法教材研究』大修館書店
- ____・長尾幸広(1999)「英語における現在完了形とその効果的な指導」『大阪教育大学紀要:第V部門 教科教育』47(2): 267-90.
- ____(2000)「中学校における現在完了進行形の指導の必要性について」『大阪教育大学紀要:第V部門 教科教育』49(1): 15-33.
- ____(2001)「英語教科書における現在進行形とその効果的な指導」『大阪教育大学紀要:第V部門 教科教育』49(2): 295-314.
- 小寺茂明・森永正治・太田垣正義(1992)『英語教師の文法指導研究』三省堂
- 五島忠久・織田稔(1977)『英語科教育:基礎と臨床』研究社
- 日本教職員組合(編)(1978)『外国語の授業』一ツ橋書房
- 廣江顕(2004)「『学校文法』の問題点(1)」『尚絅大学研究紀要』〔No. 27〕,pp. 11-8.
- 山田雄一郎(2004)「中学校英語教科書の分析と批判」『広島修大論集 人文編』Vol. 45(1): 149-203.
- 高橋保夫(2006)「英語学研究の成果を英文法教育に生かす:冠詞を中心に」『北海道文教大学論集』7: 1-9.
五島・織田(1977)や小寺・森永・大田垣(1992)にはあちこちで言及しているし、菅野(1983)もこのブログで取り上げたことがあるのだが、紀要論文などは誰かの役に立つこともあるかも知れないと思って紹介しておく次第(ここ2〜3年の文献は十分にはフォローしてないので追加はさしあたり控える)。リンクは全てCiNiiのオープンアクセス情報。
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