[レビュー022] SONY DPT-S1

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左利きで、ヘタな字を書くのは好きではない。好きではないが、仕事柄「聞きながら書く」、「書き留めながら考える」という場面は多い。長い間、理想のノート、理想のメモ、そしてその活用法を模索してきた。最近はお目目への優しさも。そして、ついに辿り着いたかもしれないオゥエイシス、念願叶って入手したSONYのデジタルペーパーのレビュー。

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購入のポイントで、使ってみても満足しているのは、

  • 指導案を挟むクリップボードと変わらない程度の軽さ・薄さ(約358g、薄さ約6.8mm
  • A4サイズでの、目に優しい論文PDF表示
  • 授業(見学)中や移動中に持ちながら書ける、論文にメモを入れていけること

の3点。まとめると簡単だが、これが一つに揃ったものを手にするまで、どれだけあれこれに投資してきたことか。iPad Proを試していないので比較はできないが、ここ最近手にした機器の生活に対するインパクトではBOSE SoundLink Mini IIやMacBookをしのぐ。画面が柔らかく、書いている時にカチカチ音がしないので、授業(見学)中のメモにも最適だ。

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使い始めて2週間で2回しか充電していないので、バッテリーは1週間ぐらいは平気で持つ計算になる。先日、2時間弱のミーティングで常時稼働状態で5、6ページのノートを取っていたら「充電すべし」と言われたので(それでも充電せずに終わりまでノートを取ることができたが)、フル稼働だと2、3日というところか。どれぐらいでスリープにするかは自分で設定できるので、合間合間にPDFを読む程度であればKindleと同じような使い方ができるだろう。

購入してから感じた良さは、特に接続や同期について。PCにmicro USBでつなげば、USBメモリやHDDと同じように操作できる(充電もできる)ので、Finderで入れたいファイルを放り込むだけでOK。Finderでフォルダを作れば本体にもすぐ反映されるので、ものすごく楽だ。

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さらに、webdavに対応しているBoxを利用すれば、ネットワークを通じて同期もできる。Boxアカウントを持っていれば設定は難しくない(例えば下の記事と記事中のリンク先を参照)。

PCにつないでコピーするのもそれほど手間ではないが、ダウンロードした論文をここに放り込めばいいし、PDFへの書き込みやらマーキングも自動的に同期される。WiFiの設定も面倒なことはなく、一度登録しておけば自動で接続してくれるので煩雑さはない。

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→PC上ではこういう風にLong - 2016 - In Defense of Tasks and TBLT Nonissues and Real Issues_from_DTS-S1_20160416_191830

(ペンは紺と赤の、太さ各3種類から選択できる)

私はMendeleyでrenameされた論文を必要な限りで放り込む作戦。Mendeleyの同期ファイルと一本化してもいいとさえ思うが、検索性は高くないのでMendeleyのほうを整理しないとごちゃごちゃしてしまうな、というのはやや別の問題か。ちなみに、デジタルペーパー本体の容量は3GBで、それでも十分なくらいだが、32GBまでのmicro SDカードが装着できる。

使ってみて気づいたことは、ペンと画面の操作について。上の写真中にもある通り、筆跡が画面上に反映されるまでに多少のタイムラグがあるが、気にせずどんどん書くことに慣れてしまえば、(少なくとも私はストレスなく)普通のペンの速度と感覚で書ける。画面上で切り替えなくてもペンの下の方についたボタンを押すと消しゴム・モードに切り替わるので、ちょっと修正したり下線を引き直したりする場合にはこちらの方が速いくらいだ。

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PDFを読んでいて、下線だけが思ったように引けずに難儀していたのだが、文字を直接タップするのではなく、欄外で「この辺に下線をよろ〜」という感じで上下になぞると簡単に引けることに気づいた。最初に左利きか右利きかを選ぶ(もちろん後で変更もできる)ので、右利きの人は右側の欄外になるのかもしれない。それでも、描きやすさ消しやすさに比べれば、一文や語句単位で線を引くのは得意ではなく、消しゴムで消すと一度に引いた下線全体が消えてしまうので微調整も難しい。正確にキレイに下線を引くのは期待しないほうがいいだろう。

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ページめくりは、メニューバーの矢印ではなく、スワイプすることでかなり快適になることに気づいた。スワイプでノートの新しいページを増やせるので、メモを取っている時は本当に便利だ。ただそれでもPDFの次ページ表示は多少もたつくので、これ一つで快適読書!というものではない(Webブラウザも搭載しているが、こちらも普段使いとは思わないほうがよさげ)。PDFの場合は、メニューバーの数字を直接タップして、飛びたいページを入力するか、スライドバーで移動した方が速いかも。

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最大の難点は価格の高さ。しかし値段に見合うクオリティを実感しており、不満はない。これまでモレスキンのA5ノートに時系列でどんどんメモを取っていたが、ゼミやプロジェクト、会議ごとにファイルを分けることができ、一覧性も高いので、紙のノートは全く不要になった。さらにはPDFであれば何でも入れられるので、授業の名簿や資料なんかも入れて、授業中にそこにメモを入れながらという活用も試しているところ。

ソニーさんからは何ももらっていませんが(この記事で5台売れたらもう1台、いや付属品か何かくれまいか)、買う価値アリだと思います。

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