[雑感045] 2016年をふり返って。

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2016年。個人的には「活動の幅を広げちゃいました」という一年でした。トライの一年と思ってあれこれ意図して挑戦したこともあるのですが、その分、抱えたものの多さに振り回された部分もあって、未熟さを実感しました。手数のかかる時こそテンポよくこなす軽やかさ、駆け足の最中であってももっと足の運びに気を配る実力をつけたい。

研究に関して、今年の作業だけでできたわけではありませんが、やはり2冊の共著を上梓できたことは私にとって大きな出来事でした。これまでは単に原稿を寄稿するだけでしたので、編者として本を作るという経験は苦しくも得難いものでした。刊行後にあちこちで声をいただくと感慨もひとしおです。

今年はPaper(口頭発表)に挑戦と思い、ニューヨークで開催されたSLRF 2016で発表しました。MoMAに行けた感動のほうが大きいというのはナイショですが、名前だけで知っている人が複数聞きにきてくれて、自分としてはまずまず。そのまま投稿しようと原稿を準備したので、これを仕上げて国際誌に投稿するのが年度内のタスクです(本当は年内と思っていたのですが)。もう一つは、大学間協定を結んでいるインドネシア教育大を一度見ておこうと、学部の同僚とインドネシア・バンドンに行きました。暑さが苦手なので通常は選ばない場所ですが、現地の学校視察やインドネシア教育大の学生との交流を中心に、いい経験となりました。

講演・講師のお仕事もいくつか担当しましたが、そのインドネシアから帰国した足で参加した早稲田大学CCDL研究所第1回シンポジウム「外国語教育研究におけるスピーキングとライティングの自動採点・評価」は、専門外の分野の司会というスリリングな挑戦で、背中にびっしょり汗をかきつつ、かつてない知的興奮を味わうことができました。もう一つ、夏に全国英語教育学会第42回研究大会(獨協大学)のシンポジウムでは、佐藤臨太郎先生と松村昌紀先生の間に立って若輩者の私が議論を捌くという不遜きわまりない挑戦。いずれも粋な企画を立てて通してくださった先生がたに感謝する次第です。

今年は、西伊豆教委との共同研究、静岡県教委・静岡県総合教育センター事業の外部講師、さらに大学として文部科学省委託事業を受託することになり、いつ大学にいるんだと学生からお叱りを受けることもしばしば。体にムチを打って得た最大の収穫は、幼稚園から高校までの50時間近い授業を見学し、先生がたと協議会を持つことができたことです。特に高校の授業づくりにかかわれたことは、私自身の「観」に少なからぬ影響があり、今後の教育・研究にも大きな影響があると思います。さらに、年度末に向けてまだ進行中ですが、西伊豆町幼少教材・授業づくり支援プロジェクトや高校生ディベート指導プロジェクトに院生・学生と挑戦することで、やりがいのある舞台によってこそ引き出される力をまざまざと見、大学教員として一段階成長させてもらったと思います。

ゼミや授業での取り組みは多すぎて書ききれませんが、英語科のPVを作成したほか、ゼミ参加者(19名)全員と紀要論文を書くという挑戦をしました(校正中)。20人連名はちょっとやりすぎかなと思い、実際物議も醸したのですが、担当授業は全て何らかの成果物を残していて、ゼミは年度末の年報のみだったので、前期のゼミについてもやりっ放しにしたくないということで企画提案してみました。応えてくれたゼミ生に感謝です。ゼミとしての研究活動も徐々に高めて行きたい。

プライベートでは、編集者のTさんに声をかけていただいて、ついにPerfumeのライブに行ってしまいました。そこでも、舞台によってこそ引き出される力、というよりも舞台上の彼女たちを支える無数のお仕事の集積とそれに応える彼女たちのパフォーマンスを見、楽しむというよりは感心しきりでした。あとはCapsuleのライブではしゃげば成仏になります。

映画も読書の時間もどんどん減ってしまって悲しい限りですが、映画は『ズートピア』と『スポットライト』が良かったです。本は、英語教育関係以外では、

が読んでいて特に興奮の多い3冊でした。原書と併せて積ん読になっている『すべての見えない光』に早く挑戦したいなあ。

英語教育関係では下の3冊かな。読むべき人に読むべき時に出会ってほしいなと思うのですが、堀田 (2016)と大津・島田 (編) (2016)についても近い内に詳しく紹介したいと思っています(追記: 後者についてレビュー記事をアップしました)。英語教員(を目指す人)には、どのタイミングでもいいから堀田 (2016)だけでもぜひ読んでほしい。

結局私は、いつだって、授業のわかる・できるを高め揺さぶり深めることがアルファでありオメガ。

それでは、2017年もよろしくお願い申し上げます。

 

追記: iPad Pro + Apple Pencilで、お絵描きの楽しさを覚えたのも今年の嬉しい出来事です。行きつけのお店に飾ってもらって、初めてのギャラ(アイスコーヒー)をいただきました。

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