[雑感054] 2017年をふり返って。
2017年。詰まってました。ものすごくたくさんのことをしたようにも思うし、ものすごく一瞬で過ぎ去ってしまったようにも思います。幸い私自身は大過なく過ごしましたが、身内や恩人を失いました。その喪失感に浸る間もなく駆け抜けたので、この1年をふり返るにはもう少し時間が必要なのかもしれません。
今年も各種プロジェクトに奔走し、昨年以上の60時間に及ぶ授業を見学しました。講演・ワークショップ等々にも多く招いていただいて、静岡市内・県内だけでなく、三重や京都の先生がたとのつながりを深めることができました。静岡市の「ICTを活用した英語授業づくり研修」では、奥住桂先生とコラボすることができ、私自身も大いに勉強になりましたし、県の研修では、
☑︎ 一切練習せずに、英語話者を対象に、60分の講演・ワークショップをする
というのに挑戦し、なんとかやり遂げました(「一切練習せずに」は意図したものというよりは、その時間が取れなかったからですが)。来年も、おしきせの研修・協議会とは異なる時間を先生がたと作っていければと思います。
その忙しさを言い訳にすることはできませんが、研究はまあまあ(こちらを参照)。新たな達成としては、
☑︎ 寄稿した共著で洋書デビューする(Tajino, A. (Ed.), A new approach to English pedagogical grammar: The order of meanings. New York, NY: Routledge.)
☑︎ 一学会3発表にチャレンジする(第47回中部地区英語教育学会長野大会)
☑︎ 『英語教育』10月増刊号「英語教育図書: 今年のベスト3」を担当する
☑︎ ゼミ生と共著論文を査読付き論文に投稿し採択を得る
あたり。私は単著主義の研究室で育ちましたが、共著者として、査読付き論文デビューを支えるのも良いものだなあと。学会発表も、昨年のプロジェクトの結実として、私がファーストとセカンドで、それぞれ別のゼミ生と発表しました。こうしてゼミ生や卒業生・修了生がどんどん私を成長させてくれるのですが、今年は特に、今までの蓄積とその稔りを実感する一年でした。
あと、TESOLのサミットにも参加しました。聖闘士星矢世代的には「アテネに、パルテノン神殿に行った」という事実が大きいわけですが。また行きたい国・街です。今度はアテネ以外にも訪れ、メテオラで『メテオラ』を聞いたり、スパルタでスパルタ教育をしたりしたいもの。
https://wtrych.sakura.ne.jp/wordpress/2017/04/01/miscellaneous049/
映画はもっともっと浸りたいのですが、昨年度より観ることができました。3本あげれば、『ダンケルク』、『ブレードランナー2049』、『私は、ダニエル・ブレイク』でしょうか([映画008] I, Daniel Blake)。河瀬直美監督『光』もとってもとってもよかった。
本は、趣味の読書としては、
- 川上 未映子・村上 春樹 (2017).『みみずくは黄昏に飛びたつ』新潮社.
- デイヴィッド・ロッジ(高儀 進(訳))(2017).『起きようとしない男: その他の短篇』白水社.
- 前野ウルド 浩太郎 (2017).『バッタを倒しにアフリカへ』光文社.
が、読み終わるのが惜しく、すこぶる触発されました([本011]『みみずくは黄昏に飛びたつ』(川上・村上, 2017))。
英語教育関係は、また紹介する機会があればと思います。上記の「英語教育図書: 今年のベスト3」では、昨年のふり返りに挙げた、
- 堀田 隆一 (2016).『英語の「なぜ?」に答える はじめての英語史』研究社.
と
- 豊田 昌倫・堀 正広・今林 修(編) (2017).『英語のスタイル: 教えるための文体論』研究社.
- 石川 慎一郎 (2017).『ベーシック応用言語学: L2の習得・処理・学習・教授・評価』ひつじ書房.
を紹介しました(同コーナーで、共編著『高校英語授業を知的にしたい』を挙げていただいたのは望外の喜びです)。
それでは、2018年もよろしくお願い申し上げます。