レビュー
[本090] 上阪『子どもが面白がる学校を創る』
読みやすいルポ。
- 上阪 徹 (2022).『子どもが面白がる学校を創る: 平川理恵・広島県教育長の公立校改革』日経BP.
批判的視点はないが、平川教育長や周りの人たちの人となりが伝わるように、彼女らの声を散りばめた取り組みの過程の描き方はうまく、胸焼けするしつこさはないので、さっくり読める。先生方も、前に批判した経産省の浅野さんの本を手に取るくらいなら絶対にこちらの方が良い。
私は、教職キャリアの一環としてのイエナスクールや国際バカロレアという話(私はその規模の議論との関わりは今のところないが)と、商業高校のカリキュラム改革の話が面白かった。
You may say I’m a dreamerだけど、視察先のアメリカの高校生が言ったという、「先生が学ぶことを楽しくしてくれる」(p. 166)というのはシンプルだけど私もそうであってほしいと思うことで、そう言ってもらえる先生が1人でも増えるよう引き続き尽力したいと思う。私自身ももっと学ぶことを楽しくしたい。
関連して、
- 今井 むつみほか(2022).『算数文章題が解けない子どもたち: ことば・思考の力と学力不振』岩波書店.
が刊行されましたね。広島県教委からの委託に基づく県と福山市の調査の報告。
watari
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