レビュー
[本136] 村上『客観性の落とし穴』
- 村上 靖彦 (2023).『客観性の落とし穴』筑摩書房.
前半は、現在読書会で読んでいる『質的研究アプローチの再検討』に代表されるような、研究方法論に関心のある人にとって良い参考文献になる。『客観性』とか『エビデンスの社会学』とか、私も持っていて読んでいるんだけど、こういうふうにわかりやすくまとめるんだなあと勉強になる。
私にとって村上さんと言えば『仙人と妄想デートする』の衝撃だが、読むタイミングや経験は選ぶ文献だと感じる。近著の『交わらないリズム』や『ケアとは何か』もなかなか簡単に読み通せる文献ではない。本書の後半はこうした著作のエッセンスを得る上でも有益な一冊だ。
watari
0