[雑感135] 9年生英語スピーチ交流会にて
昨日の附属浜松小中学校の9年生英語スピーチ交流会。交流会の運営の仕方や前後にあり得る指導について、学生たちの感想も交えながら、事後協議であれこれ話した。
それはそれとして色々考えることはあるにせよ、まずはイベントとして素直によかった。1時間目は、6、7年生がオーディエンスの体育館会場を観察。先輩の発表に全身を傾け、懸命に分かろうとしているのが良い。「(意味が)わかる、わかる」と一つひとつのリスニングに見せる反応が初々しく、実はその反応が、緊張している先輩を勇気づけるものとなっている。最終ラウンドに、発表者がいないグループからもオーディエンスが集まって結構な規模となった生徒も「こんなの聞いてないって!」と言いながら、無事に発表・質疑をやり遂げた後、丁寧に人数を数えて「35人もいたよ!」と満足げだ。
テーマにそれぞれの味があって面白い。2時間目に観察した教室会場では、8年生 のオーディエンスに向かってWhat should you do before the next grade?とある男子生徒が問いかけた。(Play video games!とのたまうおっさんを除き)異口同音に“Study.”とつぶやく8年生に彼は、旅行しよう(今のうちにいろんなものを見たり味わったりしよう)、運動しよう(受験勉強には体力も必要だから)、ゲームをしよう(9年生になったらあんまりできなくなるし、他の人と話す共通の話題にもなるのだから)と、TEDを地で行くような素敵なメッセージを届けた。先にPlay video games!と言っちゃってゴメンと反省した。
中学生でこんな素敵な先輩って存在するの?という彼の発表以上に私の心をギュッとつかんだのは次の発表者。テーマは「きゅうり」。英語は得意じゃないからと英語で断りながら10分間、クイズも交えながらきゅうりの組成やお薦めレシピ、果ては懐かしの「リスニング四天王」の一角についてまで独特の間で語り倒した(なんと、2023年度の中3の間でミームになってますよ!と当時の出題者に伝えてあげたい)。リスニング四天王などつゆも知らない8年生も思わず惹き込まれて笑みが絶えない。構成や資料が巧みな者、澱みなく英語を駆使する者、英語は粗々でも聴衆の心をつかんで離さない者、事後にあり得るあるいは必要なフォローはそれぞれ違うが、ここまでの歩みの英語科における集大成として、あちこちで生徒たちが眩く躍動していた。ゼミ生たちにこういう光景(が学校で作れるということ)を見せられただけでお釣りが来る。