レビュー
[本061] 川添『言語学バーリ・トゥード』

[本061] 川添『言語学バーリ・トゥード』

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息抜き読書。本書に盛られたネタを漏れなく味わうためにはR35という感じだが、該当世代につき抜群に面白かった。『UP』誌の連載を元にした一冊。

仮にプロレスネタや世代ネタが感覚的にはすぐ理解できないとしても本書をお薦めするのは、言葉に関心があれば楽しめる内容であるのはもちろんのこと、川添さんの文章が圧倒的にうまいことによる。時々うますぎて憎たらしいほど。

本書の発刊前、この本を見て私の顔が浮かんだとの連絡をO先生からもらった。たしかに似ているなと自分でも思うところがある(ほのめかしの鍵カッコは私も多用する傾向があるので、書き下ろしの章を読んでドキッとした)。しかし川添さんのほうが圧倒的にネタが豊富で、言葉選びが秀逸で、リズミカルに読ませる文だ。STO先生の著作は私も以前から好きで(Cf. 「[本][旧記事] 『人生一般ニ相対論』ヲ絶対ニ推ス。」)、私の場合は決して真似をしてはいけないと自分に言い聞かせていることもあるが。。

本書に収録された中では、特にBOØWYの氷室さんとTERUさんの対談を巡るエピソード(「たった一ひとつの冴えたAnswer」)はエッセイとして珠玉の出来で、語用論の教科書に採用したい話である。それと同時に、もしそこに居合わせれば「ねえ昨日アレ見た?」「見た見た。TERU、まじカッコいいわ〜」と思い出込みで会話に花を咲かせたであろう風景もR35は味わえる。

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